東京に向かう電車に乗っている。
実家に帰ったあとアパートに戻る時に、強い寂しさを感じる。
帰るのを先延ばしにしたくなる気持ちと戦った末に、なんとか重い腰をあげ苦渋の表情を浮かべながら家を出る。
一度一人暮らしの生活に戻れば、しばらくすれば慣れてくるのだろうけど。
それの繰り返しのような急がしてる。
なんというか、実家が遠くなるのが悲しい。
生まれ育った街、家、部屋。
老いた両親、大人になる自分。
使わなくなった勉強机、子供の頃の写真。
懐かしいことを思い出しては時の流れを悲しく思う。
懐かしさにいつからか寂しさと苦しみを感じるようになった。
確かに過ぎゆく日々をいったいどう生きていけば後悔せず、惨めに振り返らずに済むのだろうか。