うわーってなった時の処方箋

苛立ちと憂うつと退屈

用意された居場所がなくても

先週末にイベント系の単発バイトに初めて入ったので、その時のことを書こうと思う。

金土日と入る予定だったんだけど、まあ先に言ってしまうと、3日目の日曜日にクビになった。

 

まず金曜日は準備日というので、商品の入った段ボールを運んだり、フライヤーを作ったり、そんな感じの仕事を一日やった。

段ボールを運ぶ時なんかは仕事を割り振られるというよりはみんなで一斉に取りかかる感じで、昔から俺は団体作業が得意じゃなくて、学生時代の体育の授業でいうと、バスケとかサッカーで何したらいいのか分からず突っ立ってるタイプだったんだけど、それと全くおんなじ状況になってた。

こういう時に積極的に行動できる人ってすごいなーって思いながら(すごいなと思ってないが)ただ突っ立ってた。

俺みたいな人間は割り振ってくれないと本当に何もできない。

それと役割を与えられても全体的に説明も行動もすべて早くてついていけなかった。

飲み込みが遅いのでワンテンポ遅れてやっと理解して、でもその頃にはもうみんな仕事を終えてるという。

なんとなく俺が全く参加してこなかった文化祭の雰囲気があり、それも居心地悪いなと思わされる要因の一つだった。

 

で、翌日。

詳細は伏せるが、人が多く、なおかつほぼ女性というイベントだった。

イベント系のバイトがどういう仕事をするのか知らなかったので、なんとなくただ看板を持ってるだけとか、見張り役とか、そういうのを想像していたのだが、違った。

今回配属されたポジションが、グッズ売り場のレジ前あたりの案内係みたいなやつで、たとえば、順番待ちの先頭で空いたレジにあちらにどうぞと客を振り分ける係とか、その係の人にこのレジ空きましたって知らせる係とか、出口でフライヤーを渡す係とか色々あり、休憩を挟みながらローテーションで交代していく感じだった。

これらの仕事は全然よかったんだけど、問題は入口の係だった。

開場してしばらくすると、グッズ売り場に長蛇の列が形成され、やがて通路を挟んだ向こう側にある広いスペースに待機列というものができ始めた。

そして入口としての役割を失った入口で、小型のスピーカーとヘッドセットを使って「ここは最後尾ではありません」と待機列に案内する仕事が生まれた。

一番向いてない仕事だと思った。

声が小さくシャイな俺がマイクパフォーマンスでフロアを沸かす(案内する)なんて無理だと思った。

ついにこの仕事が回ってきて、ヘッドセットをつけようとしたのだけれど、うまくつけられずあたふたしてたら、その現場を仕切っている人が呆れて、別の人がマイクパフォーマンスの係になり、俺は念願の看板を持つだけの仕事についた。

もちろん同時に無能の烙印を押されたことには気づいていた。

 

正直ここまで大規模なイベントだと知らなかったし、待機列にはものすごい数の人が出荷される豚みたいに並ばされていて、その数の多さにめまいがしたが、それでもなんとかその日を終えられた。

 

3日目。

朝目が覚めて、ギリギリまで行くか行かないか葛藤していた。

昨日はマイクパフォーマンスを避けられたが今日はそうもいかないだろうし、本当に行きたくなかった。

けどここで休んだらやっぱり来なかったかって思われそうで、それが嫌だったので向かった。

 

ここで一旦、登場人物の説明をしておくと、「現場を仕切ってる人」というのは、多分派遣会社の社員ではなく、ああいうのはなんて言うんだろう、クライアント的な何かだと思うんだけど、まあなんかそんな存在の人。

茶髪の女性だったのだけど、なんだか仕事できる風な感じで、部下の男性に対しても口調が厳しかった。

 

集合場所につき、着替えて、朝礼的なやつを終えたあと、現場を仕切ってる人が案内係のメンバーに向かって「そこの3人きて」と言った。

その時ちょうど俺含めて4人いたのだけど、俺の方を向いていなかったので、含まれていないんだなと思い棒立ちしていたら、派遣会社の社員の人がもう一人います、と現場を仕切ってる人を呼び止めた。

そんで現場を仕切ってる人に「なんで僕もですって言わなかったの?」と言われ、なんだこの状況と思いながらも正直に3人と言っていたので、と答えたら「ねえ君大丈夫?やる気ある?帰ってくれてもいいんだよ?」と返されたので、やる気はなかったけれど「やる気あります」と言ってなんとか許してもらった。

ところまではよかったんだけどね。

そのあと休憩場所じゃないとこで本読んで怒られ、それが決定的になったのか、別のまたなんかの代表みたいな人に帰らされた。

正確に言うと、帰るか裏方の仕事をやるかどうする?って聞かれたんだけど、交通費無駄になるけどなんかもういっかーと思って帰ることにした。

 

思い返してみてもなんで俺あんなフラフラというかダラダラした態度だったんだろうな。

この間の出口調査とかは比較的ちゃんとやったんだけどな。

人の話ちゃんと聞かなかったり、今回は悪い部分というか、素の部分が出過ぎてしまった気がする。

けど大声を出す仕事をやらなかったこと以外は仕事に対して真面目にやったつもりではいる。

たとえば、出口でフライヤーを渡す係りなんかは、僕の印象ではだいたいの人が快く受けとってくれたと感じたし、嫌な顔をする人はいなかった。

逆にありがとうございますと言われたり、これは天職だと思ったくらいで、別にクレームが入るような適当な感じでやっていたわけでもないのに、声が小さいとかやる気が感じられないとかで、結局クビになったことにやや納得いかない部分もある。

が、まあどうでもいいのでどうでもいいんですが。

だいたいいつも社員とかそういう上の人間に嫌われる。

いい印象を持ってもらおうなんて気持ちにまったくならないからそのせいで不遜な態度として認識されるのだろう。

まあ事実だけど。

派遣会社の社員の人のことも、幼稚でしょうもない会話ばっかしやがってってずっと馬鹿にしてた。

 

けど俺がいくら派遣会社の社員や仕事できる風の現場仕切ってる人を馬鹿にしたって、あの現場では絶対的に俺が間違っているわけで、何も言えないか。

適材適所があると言ったところでそんなものは通用しないし、ただやるしかなかったんだろう。

とりあえずもうイベント系のバイトはやらない。

それだけ。

クビになって見た相席食堂はめちゃくちゃ面白かった。

本当ならこの時間働いてたんだと思えば思うほど。