うわーってなった時の処方箋

苛立ちと憂うつと退屈

出会えた喜びは一瞬なのに

バイト先の若い女性の社員の人が異動になった。

僕はその人とほとんど喋ったことはなかったし、なんなら挨拶もちゃんとしてなかったような気さえするぐらいの関係性だったが(僕は人との関わりを極端に避けていつも下を向いている)、なぜだかぼんやりとした喪失感がある。

普通に可愛い人だったけど、特別好意を抱いてたわけでもなかったしよくわからない。

 

人と関わりたいと思っていないのに(それはつまり思っているとも言える)、唐突にやってきた別れに対して寂しいという感情が芽生える。

もっとちゃんと接するべきだった、とかもっと話してみればよかった、って要するに後悔が湧き上がってくる。

 

この寂しさの正体を突き止めることはできないだろうけど、一つ思うのは、忘れられたくないという気持ちがあるんじゃないかってこと。

薄い関係性を続けていると、このまま誰の記憶にも残らないような気がしてきて、僕の感情の根幹はかまってちゃんなので、耐えられない悲しみに襲われる。

 

忘れられたくない。

僕という人間を覚えててほしい。

そう思う。

 

「サヨナラだけが人生だ」

「全ての言葉はさよなら」

 

たぶん、全ての瞬間が別れで、全ての言葉がさよならなんだろう。

最後の言葉が別れの瞬間なのではなく、全ての言葉がさよならになり得るんだ。