うわーってなった時の処方箋

苛立ちと憂うつと退屈

Once Upon a Time in Roppongi

今年の3月ごろ、最低な出来事があった。

そのことについて書く気はなかったのだけど、ふと思い出してイライラしてきたので書く。

 

どういう経緯でそうなったのかはめんどくさいので要約すると、その日数人で飲んだあと、友人(A)と友人の知り合い(B)の3人でそいつ(B)の家に泊まろうとしていたのだけど、俺以外の二人が駅で知り合った全く知らない人に気に入られてしまい、その流れで飲むことになったらしく居酒屋に行くことになっちまったわけ。

その道中も俺の存在は無視され、向こうは触れてこず、俺もその輪に入ろうとせずでただ黙って後ろからついて行っていたが、内心はやく帰りたくて仕方がなかった。

電車がまだあったら無言で帰ってたと思う。

 

そもそもその相手というのがクソみたいなやつらで、二人組だったのだが、一人はヤンキーみたいな風貌と性格で、改札出る時ピコーンッつって止められてんのにそれを跳ね除けてそのまま出てった無賃乗車田舎ヤンキー野郎だし、もう片方はなんかの社長らしいまあとりあえず気持ち悪いやつだった。

無賃乗車はマジであんなのがまかり通ってるのが信じらんない。

 

そいつらの話がほんとうにつまらなくて、海外ではバンドよりDJの方が地位が高いみたいなくだらない話とか(社長の方がDJをやってると言っていた)、あとは…ちゃんと聞いてなかったんで忘れたがとにかくどうでもいい内容だった。

 

そのあと田舎者のヤンキー野郎にクラブとバーに無理やり連れてかれ、睡眠時間の代わりにクソみたいな体験をさせてもらった。

なんか六本木は俺の街だ、みたいな雰囲気で話していたが、クラブの入り口で、顔パスどころか全然相手にされてなくて、田舎者の虚栄になんで付き合わされなきゃならないのかと心底くだらないと思った。

 

クラブを出たあたりで、そいつにラインを聞かれた。

一度ははぐらかしたのだけど、そのあともう一度聞かれ、結局断りきれず教えてしまった。

その日いた3人のうち俺が一番気弱そうで標的にされたのが分かった。

本当に俺は自分が嫌になった。

またバーに呼びだされ、飲みたくない酒を飲まされ、払いたくない金を払わされるのが目に見えていた。

相手が俺をカモにしようとしているのが伝わってきてそれが分かっていたのに断れなかった自分に腹が立った。

俺はロックを聴いて自分が強くなったと勘違いしていたんだ。

なんだ、学生時代と何も変わっちゃいない。

自分より強いやつに何も言い返せなかったあの頃のままだったんだ。

俺は最悪の気分に包まれながらバーで寝たふりをした。

 

朝5時にやっと解放されたが絶望感に追い詰められていた。

俺は萩原朔太郎太宰治が人の頼みを断れない性格だったことを思い出しながら精神を保とうとし、しかしそれを上回る自己嫌悪に苛まれながら朝の電車に乗りながら帰った。

家に着いてすぐラインをブロックした。