10代の頃はよく死にたいとおもってた。
長く生きたくないと。
でも、なんだかんだ30歳が近づき、うだうだ生きてしまっている。
惨めな過去は消えないまま、一緒に歳をとった。
ときどき懐かしい痛みや恥ずかしさ、死にたさに襲われながら。
死んで全てを感じなくなれば楽だといまだに思う。
けど、生活はたいして変わらないまま毎日が続いていくんだろう。
けっきょくのところ、塗り潰して上書きしていくしかないんだ。
鐘の音が聞こえる方へ耳をすませる。
アイリスの香りがする方へ歩く。
最低な日々の中に紛れこんだ光を抱きしめる。
消せない過去と共に。